スマホの画面に見慣れない「+87」から始まる番号が表示されると、一瞬ドキッとしますよね。「これって、87はどこの国の番号だろう?」と不思議に思って検索された方も多いはずです。実は、この番号はアメリカや中国といった特定の国を指すものではなく、世界中のどこにいてもつながる「衛星電話」に関係する特別な番号なのです。
身近な友達や家族が海外旅行中ならまだしも、心当たりがないのに「+870」などの番号から電話がかかってくると、詐欺ではないかと不安になるのも無理はありません。そこで今回は、謎に包まれた「87」から始まる電話番号の正体や、もし着信があったときにどう対処すべきかを、専門的な知識がない方でも分かりやすく丁寧に解説していきます。
この記事を読むと、以下のことが分かります。
- 「+87」から始まる番号が特定の国ではなく衛星電話である理由
- 「+870」や「+878」など枝番号ごとの役割の違い
- 知らない番号から着信があった際の安全な見極め方
- もしも電話に出てしまった場合の具体的な対処法
87はどこの国の番号?電話の正体を詳しくチェック

スマホに着信が残っているとき、一番気になるのは「相手が誰で、どこからかけてきたのか」ということですよね。結論からお伝えすると、87はどこの国という特定の地域を指す国番号ではありません。これは国際電気通信連合(ITU)という組織が定めた「特定の国に属さないグローバルなサービス」のための番号なのです。
衛星電話で使われる+870はどこの国でもない特殊な番号
まず、最も見かけることが多い「+870」という番号についてお話しします。これは「インマルサット」という、世界規模で展開されている衛星通信サービスに割り当てられた専用の番号です。つまり、+870はどこの国からかという問いへの答えは「地球上のどこかの衛星電話から」ということになります。
本来は、海の上にいる船や砂漠、あるいは大きな災害が起きた場所など、普通の携帯電話の電波が届かない場所で使われる非常に便利なものです。しかし、最近ではこの仕組みを悪用して、身元を隠しながら国際電話をかけてくる悪質な業者も増えています。もしあなたが船乗りの友人や、登山家、あるいは海外の特別な機関に知り合いがいないのであれば、この番号からかかってくることはまずありません。
まだ割り当てられていない+875はどこ の番号なのか
次に、似たような番号で「+875」というものを見かけることがあるかもしれません。リサーチした結果、+875はどこかの国に割り当てられているわけではなく、将来の海事モバイルサービスなどのために予約されている番号だと判明しました。
現時点では、一般の人がこの番号を使って電話をかけることはほぼ不可能です。それにもかかわらず着信がある場合は、発信元を偽装している可能性が非常に高いと言えるでしょう。このように、国際電話の仕組みを悪用して番号を表示させる手口があるため、知らない番号には慎重になる必要があります。
予約済みで今は使われない+876はどこの国の番号?
同じように、+876はどこの国の番号でもなく、現在は使用されていない予約済みのコードです。かつては特定の用途が検討されていましたが、現在は表舞台に出てくることはありません。
「+876」と表示された場合も、基本的には「出ない・かけ直さない」が鉄則です。もしジャマイカ(国番号+1-876)からの電話であれば、表示は「+1」から始まるはずです。頭に「+876」とだけ表示されているなら、それは特殊な衛星系か、偽装された番号だと判断して間違いありません。
サービス終了が進んでいる国番号877の仕組み
かつて、衛星電話には地域ごとに番号が分かれていた時代がありました。その名残として国番号877というものがありますが、現在は+870に統合される形で運用が終わっています。
以前は、大西洋やインド洋など、どこの海域にいるかで番号を使い分けていたのですね。ですが、利用者にとって分かりにくいということで、現在は「+870」という一つの窓口にまとめられました。今あえて古い形式の番号を使ってかけてくる相手がいるとしたら、それは正規のサービス利用者ではない可能性を疑ったほうが良いかもしれません。
将来のために確保されている+879はどこの国?
最後に、87シリーズの末尾である「+879」についても触れておきましょう。+879はどこの国にも割り当てられておらず、将来的な非地理的サービス(特定の場所に基づかない通信)のために確保されている状態です。
つまり、現在の日常的な通信で使われることはまずありません。このように、87から始まる番号の多くは「普通ならかかってこない番号」ばかりなのです。
| 番号 | 主な用途 | 現在の状態 |
| +870 | インマルサット(衛星電話) | 現役で使用中 |
| +875 | 海事モバイルサービス用 | 予約済み(未使用) |
| +876 | 海事モバイルサービス用 | 予約済み(未使用) |
| +877 | 海事モバイルサービス用 | 予約済み(未使用) |
| +878 | UPT(個人番号サービス) | 一部で使用 |
| +879 | 将来の予約用 | 未使用 |
87はどこの国か迷う時に知っておきたいトラブル対策

「心当たりはないけれど、大事な電話だったらどうしよう」という不安から、思わず電話に出てしまったり、かけ直したりしたくなることもあるでしょう。しかし、国際電話には国内通話とは比べものにならないほどの高額な料金が発生するリスクや、詐欺の罠が潜んでいます。
間違えて870の電話番号に出てしまった時の対処法
もし、うっかり870の電話番号に出てしまったという場合でも、まずは落ち着いてください。電話に出ただけで、すぐにスマホが乗っ取られたり、個人情報がすべて盗まれたりすることはありません。
大切なのは、その後の行動です。
- すぐに電話を切る:相手が誰であれ、すぐに通話を終了させましょう。
- こちらの情報を教えない:名前や住所、クレジットカード番号などを聞かれても絶対に答えないでください。
- 無言で切る:もし相手が一方的に話し始めても、相槌を打たずに切るのが一番です。
多くの国際電話詐欺は、相手に高額な通話料を支払わせる「ワン切り詐欺」や、言葉巧みに送金を誘導する手口です。通話料については、着信を受けた側(あなた)に法外な請求が来ることは基本的にはありませんが、長く話し続けると相手のペースに飲まれてしまいます。
知っておきたい870の電話番号の正体と発信元
改めて、870の電話番号とは、海の上や飛行機、電波の届かない山奥などで使われる特別な電話であることを認識しておきましょう。私たちが普段使っているスマホとは、通信の経路が全く異なります。
現在の私は、多くの人が「+870」からの着信をきっかけに、国際電話詐欺の存在を知ることになると考えています。例えば、自動音声で「重要なお知らせがあります」と流れたり、中国語や英語でまくしたてられたりするケースが報告されています。これらは無差別に番号を生成してかけているだけなので、あなたが標的にされたわけではありません。ですから、過剰に怖がる必要はないのです。
個人に割り振られる特殊な国番号878の役割
中には「+878」という番号から着信があるかもしれません。これは国番号878と呼ばれ、UPT(ユニバーサル・パーソナル・テレコミュニケーション)というサービスのために用意されたものです。
これは「世界中どこにいても、一生変わらない一つの番号でつながる」という未来的なコンセプトで作られました。非常に便利な仕組みではありますが、実際にはあまり普及していません。もしこの番号からかかってきた場合も、基本的には衛星電話と同じように「心当たりがなければ無視する」というスタンスで問題ありません。
一方、こうした特殊な番号は悪意のある人にとって「正体を隠しやすい番号」として好まれてしまう側面があります。そのため、どれだけ利便性が高くても、見知らぬ番号であれば警戒を怠らないようにしましょう。
87はどこの国からか正しく見極めるためのまとめ
ここまで、87から始まる番号の正体について詳しく見てきました。普段の生活ではまず目にすることのない番号ですが、その背景には「衛星通信」という壮大な技術が隠されています。
最後に、今回お話しした内容を振り返って、あなたの不安を解消しましょう。
- 87は特定の国ではなく、衛星電話やグローバルサービスのための番号
- +870はインマルサット(衛星電話)で、海の上や山奥からの通信に使われる
- +875、+876、+877、+879は、現在は一般的に使われていない予約番号
- +878は個人を特定するためのグローバルな共通番号
- 870などの知らない番号から着信があっても、基本的には無視して良い
- 間違えて電話に出てしまった場合は、何も言わずにすぐ切る
- こちらから絶対にかけ直さない(高額な通話料が発生するため)
- 相手が知り合いの可能性がゼロなら、着信拒否設定をするのが安心
- 国際電話詐欺は、無差別に電話をかけているだけなので過度に怖がらない
- 「+」から始まる番号はすべて国際電話であることを意識する
- 衛星電話からの正当な着信は、仕事や身内に心当たりがある場合のみ
- 自動音声や外国語の電話は、詐欺の可能性が極めて高い
- 日本の国番号は「+81」であり、それ以外はすべて海外経由
- 不安なときは家族や警察の相談窓口に相談する
- 自分の番号が漏れたのではなく、機械がランダムにかけているだけ
いかがでしたでしょうか。見慣れない番号の正体が分かると、少し安心しますよね。これからは「+87」を見かけても、「あ、これは衛星電話の番号だな」と冷静に対処できるはずです。もし、周りに同じように困っている方がいたら、ぜひこの記事の内容を教えてあげてくださいね。
また、最近は国際電話を使った詐欺が非常に巧妙になっています。今回ご紹介した87以外にも、見知らぬ国番号からの着信には十分注意してください。お使いのキャリア(ドコモやau、ソフトバンクなど)の設定で、国際電話の発信や着信を制限する機能もあります。もし不安が続くようであれば、そうしたサービスを上手に活用して、安心できるスマホライフを送ってくださいね。
今回の記事の信頼性を裏付ける参考資料
この記事で解説した国際番号や衛星電話に関する情報は、以下の公的機関および専門機関の一次情報に基づいています。
- (出典:国際電気通信連合(ITU)『国際公衆電気通信番号計画に基づく国番号一覧』) ※世界中の電話番号(国番号)を管理する国連の専門機関による公式な割り当てリストです。+870が特定の国ではなく、衛星通信(Inmarsat)に割り当てられている事実を確認できます。
- (出典:独立行政法人 国民生活センター『心当たりのない国際電話番号からの着信に注意』) ※日本の公的機関による、身に覚えのない国際電話(ワン切り詐欺等)に対する具体的な注意喚起と対策ガイドです。トラブルを未然に防ぐための論拠としています。
